04 Limitesd Sazabys
むき出しのメロディックパンクバンドとしての矜持

「準備できてんの?」とGEN(Ba/Vo)が呼びかけ、いきなりドロップした「monolith」から、キレッキレというよりもむしろバッキバキと表現した方がいい痛烈なサウンド感。振り抜き方が笑うぐらいエグい。バンドなんてやり過ぎるぐらいがちょうどぐらいではあるが、<BLAZE UP NAGASAKI>の04 Limited Sazabysはいつもスイッチの入り方が凄まじい。加えて、そこにしっかりと呼応する観客がいる、というのも恒例の光景だ。RYU-TA(G/Cho)が煽るまでもなく熱狂するフロアがどこまでも広がっていく。彼らは多彩なアプローチを持ち、どこでもアジャストできる幅があるのだが、言わばそこがいらない<BLAZE UP NAGASAKI>のステージではむき出しのメロディックパンクバンドとしての矜持を見せつけてくれるのだ。

そんな勢いのまま、少し重心を落として「fiction」へ。HIROKAZ(G)もRYU-TAもステージ端まで動いたりもするが、見据えるのは真正面だけ。KOUHEI(Dr/Cho)もドラミングもガツンとくるし、4人が一体となって襲いかかってくる様は本当にヤバすぎる。鋭さと重みをベストなバランスで兼ね備えており、フロアでも暴動じみた盛り上がりがそこら中で起こるのも、そりゃそうだろうとしか思えない。

そのまま、RYU-TAのしゃがれ声もいいアクセントになっている「knife」でさらにエグり、「もっとイケるー?」というGENの呼びかけから「Jumper」という流れもまた良かった。特に「Jumper」は混沌としたパートから一気に開けるサビのギャップがたまらないのだが、そこをシームレスに移行させるところも素晴らしい。積み重ねてきた技が光るポイントと言っていいだろう。

「今年もまた帰ってくることができました。SHANK、ありがとう!」という謝辞から、ケータリングの雲仙ハムが美味すぎたと振り返りつつ、SHANKが新体制となって初めての<BLAZE UP NAGASAKI>、新しい1ページ目に関われることが嬉しいと語るGEN。そんな言葉から「SHANKとこんなに仲良くなれるなんて。こんな明るい未来があって良かった」と鳴らしていったのが「message」。2ビートでも押し潰されない美メロを撃ちまくり、「SHANKはオレたちのマイヒーロー!」と叫んで始めたのが「My HERO」。加速していく様もそうだが、喜びと楽しさを炸裂させる姿もいい。しかも、そうでありながらも、積み重ねてきたモノが血肉となっており、音がブレないのも流石だ。この日を、この瞬間を刻み込むように高らかに鳴らした「Now here, No where」で巧みに会場を揺らしたところにもそんなバンドの強さが表れていた。

再びSHANKへの愛を語り、「みんなでこの場所を守っていきましょう!」とGENが呼びかけた後、SHANKの「Wake Up Call」的存在かなと感じてるという「Horizon」をプレイ。伸びやかな歌、はちきれそうなテンションが渾然一体となって鮮烈に響き渡り、ラストナンバー的に「Keep going」を放っていく。言葉とすれば簡単だが、続けていくことは簡単じゃないのは重々承知。だからこそ、口に出して背筋を伸ばすのだ。

そして、GENが左足を蹴り上げ、この流れでエンディングかと思いきや、気を緩めてないだろうな、というように突如として「Remenmber」を突き刺していく。そんなスタイルも実にらしくあり、魅力的だった。

<セットリスト>
01. monolith
02. fiction
03. knife
04. Jumper
05. message
06. My HERO
07. Now here, No where
08. Horizon
09. Keep going
10.Remember

文:ヤコウリュウジ
写真:岩渕直人