SHANK
多くは語らずとも伝わる想いがある。明日へつながる盤石のステージ

ライヴシーンの最前線にしかいない猛者たちが集ったBLAZE UP NAGASAKI20251日日もいよいよ大詰め。トリを飾るのはもちろんSHANKだ。いつも彼は気取らず、奢らず、どんなシチュエーションでもブレないバンドではあるが、この日も庵原将平(Vo/Ba)、松崎兵太(G/Cho)、早川尚希(Dr/Cho) の3人はゆったりと登場し、普段と変わらぬ様子。ただ、そうは言ってもやはりこの場は特別なはずであり、同じように感じるオーディエンスから発せられる期待感もいつも以上に高いように感じた。

そんな空気の中、オープニングナンバーとしてセレクトされたのは厳かな歌い出しから始まり、勢いよく疾走していく「Set the fire」だ。その勢いに潰されることがないグッドメロディーも麗しく、最後にはうなりを上げるような歌を飛ばす庵原の姿もあり、初っ端からテンション感の良さも伝わってくる。

小気味よいカッティングからスカチューン「Life is…」が繰り出されれば、改めて感じるのは軽快さがあるアプローチだとしてもしっかりと重みを持たせる素晴らしさ。その塩梅は彼らの大きな魅力のひとつであろう。オーディエンスも思い思いのダンスを踊り、フロア全体が揺れていく。

「楽しかったですか、みなさん?」と庵原が問いかけ、そのまま話を続けるかと思いきや、一気にスイッチを入れて瞬時に投下したのが「Weather is Beatiful」。このニヤッとする切り替えもらしいところ。松崎はギターをかき鳴らしながら大きくジャンプも決め、早川はキレと安定感を両立させながら抜群のリズムを叩き出し、庵原は時に荒々しくも伸びやかな歌声を響かせる。先月、庵原のノドの不調によりライヴをキャンセルしたこともあって、不安視する声もあったかもしれないが、ライヴ中に本人からあった発言通り、驚くぐらいの絶好調。まだまだ序盤なのが嬉しいぐらい、密度の濃いライヴを見せてくれるのだ。

そして、この日のライヴで特筆すべきなのが新曲「Cheap Rad Wine」だったに違いない。イントロから楽器のアンサンブルで攻め立て、歌に入れば抜けが良く、サビはサビでまたイントロとは違った力強さを誇っている曲であり、もともとSHANKの曲は高性能なモノが多いが、その中でも抜きん出てるんじゃないかと思うほど。情報量が多いが、それが無駄になっていない。実際、グワッと惹き込まれるオーディエンスの姿がそこら中に見受けられたほどだった。

怪しいギターフレーズでフロアから歓喜の声が上がった「620」、スネアのトラブルがあったものの、ライヴの温度を一切落とすことなくプレイし、相変わらずラスサビ前の突入感が凄まじい「Hope」、タイトルコールでひと際大きな声が上がった「Extreme」と淀みない流れが続く中、BLAZE UP NAGASAKiらしさが出ていたのが「Knockin’on the door」であろう。長崎の児童歌「でんでらりゅう」を引用していることもあり、この地で浴びれるのは格別。終盤には龍踊りも登場し、オーディエンスもコーラスに声を合わせる。胸が熱くなる瞬間でもあった。

深く踏み込んで揺らす「Drag me down」を披露し、オーディエンスが手を揺らして、拳を挙げて、スカを踏んで、と各々のダンスを繰り広げた「Take Me Back」から「Good Night Darling」とつなげたところはまさしく鉄板。突き上げられた手でフロアは埋め尽くされ、ぶっ壊れたように飛び交うダイバーたち。会場の盛り上がりはとどまることをしらないと言っていい。

ここで庵原が「今年もこんな派手なことをする為に強靭なバンドの皆さんが集まってくれました」と謝辞を述べ、「またやるんで、力を貸してください」と嬉しい言葉を続けてから「Wake Up Call」をまるで映画のラストシーンのように響かせ、みんなありがとう、と「Honesty」と「Steady」を連投して本編は終了。あくまで自然体。いかにも終わりますよ、なんて素振りはなく、1曲1曲を真摯に届け響かせる卓越したパフォーマンスだった。

何だか不揃いで、でもそれが心にくるフロアからのコールで呼び戻された彼らは「また会いましょう」と告げ、アンコールとして「Love and Hate」、「Surface」、「submarine」をプレイ。多くは語らずとも伝わる想いしかない内容であり、今日を締め括りながら、明日へとつながるライヴは素晴らしかった。ただ、彼らの地元で、大切にする場所で、たくさんのSHANKを愛する人たちと感じたい曲はまだまだある。明日への期待がさらに高まるステージでもあった。

<セットリスト>
01. Set the fire
02. Life is…
03. Weather is Beautiful
04. Cheap Rad Wine
05. 620
06. Hope
07. Extreme
08. Knockin’on the door
09. Drag me down
10. Take Me Back
11. Good Night Darling
12. Wake Up Call
13. Honesty
14. Steady
EN 01. Love and Hate
EN 02. Surface
EN 03. submarine

文:ヤコウリュウジ
写真:岩渕直人