
「オレたちは今日、長崎のヒーローに呼ばれたんだけどさ、あなたも長崎のヒーローに呼ばれてここに来たんだろ?」と渋谷龍太(Vo)が問いかけ、正々堂々、真正面から自分たちの信じ抜くジャパニーズポップミュージックで会場を席巻したのがSUPER BEAVERだ。

来年8月から9月にかけて2大ドームツアーの開催が予定されているだけあって、その力量は誰しもが知るところではあるが、柳沢亮太(G)がカウントを先導してスタートした「主人公」からすべてにおいて傑出している。渋谷の歌は聴いたそれぞれが自分のモノとして受け止められる懐の深さがあり、柳沢、上杉研太(Ba)、藤原”37才”広明(Dr)が織りなすアンサンブルも強固。「SHANKに呼んでもらったから来たけど、それだけじゃなくて。オレはあなたに会いに来たんだぞ!」と渋谷が叫び、さらに大きくなる観客のエネルギーもしっかり受け止めて、それ以上の熱さをまた届けていく。

ただ、まだまだアクセルは踏み込めると、渋谷が「ライヴハウス始めます」と言い放ってから、バンド全体でボルテージをグッと上げて「東京流星群」へ。冒頭で《僕の宝だ》と《長崎の宝だ》と歌い上げたように、SHANKへのリスペクトを表しながら、上杉と藤原はたくましいリズムを紡ぎ、柳沢も空間を彩るフレーズを奏でていく。もちろん、ど真ん中には揺るぎない渋谷の歌声が鎮座。受け止める自信にもみなぎっているのであろう、「かかってこい!」と叫ぶ渋谷の姿も頼もしく、もはや無敵感しかないと言っていい。彼らにかかればドームもライヴハウスになるんだろうな、という確信ももたらしてくれた。

「いろんな同世代が志半ばで音楽をやめたり、他の道を進む中、自分たちにとって数少ない同世代、特にSHANKは同い年。そんなヤツらが地元を背負ってやってるカッコいいイベントがある、と。あなたがしっかり生きてきた軌跡みたいなモノをオレたちがこの1日で音楽にできたら最高だな、って思うからこそ、同士の意志に賛同してここに立たせてもらってるんだよ」と渋谷がSHANKと『BLAZE UP NAGASAKI』への想いを語ってから、愛や夢や希望、誰もビビって歌わないことをオレたちが、と、会場にいる全員で《愛してる》と心の底から叫んで最高潮で始めた「アイラヴユー」、全部を使い切るのが誠意だと伝え、より覚醒を促した「青い春」と続けるのだから、体中の血がたぎりまくった観客は枯らさんばかりに大声を張り上げていく。

そして、渋谷が「大事な友達に捧げるラストスパート。4人でやっても面白くねえから、オレたちでやったろうぜ」と改めて共闘を呼びかけ、タフなビートとサウンド感を誇る「切望」を鳴らし、締め括りとしてオレたちが代わりに中指を立ててやる、と「さよなら絶望」をプレイ。非凡すぎて言葉が出てこなくなるぐらいのステージを締め括り、大トリのSHANKへ、触れたら落としてしまいそうなぐらいに熱されたバトンを渡していった。
<セットリスト>
01. 主人公
02. 東京流星群
03. アイラヴユー
04. 青い春
05. 切望
06. さよなら絶望
文:ヤコウリュウジ
写真:岩渕直人