04 Limited Sazabys
メロディックヒーロー・SHANKに届け!愛とリスペクトを込めた人間味溢れるパフォーマンス

  今日の長崎はTシャツ一枚で過ごせるほど、最高の天候に恵まれた。「BLAZE UP NAGASAKI 2022」2日目、dustboxに続き、ステージに立ったのは04 Limited Sazabys(以下フォーリミ)だ。彼らは今年10月に4年ぶりになる4thアルバム『Harvest』を発表。前作『SOIL』から期間が空いたこともあり、奇を衒うよりも、変化球を投げるよりも、フォーリミらしさを体現した純度120%の一枚だった。

 オープナーは、その新作から「Keep going」を振り下ろす。〈あれから 前に前に進むために〉の歌詞が耳に飛び込み、背中を押されてしまう。コロナ禍の中でも懸命に突き進もうとするメッセージを届けた後、間髪入れずに2ビートを用いた「message」へ。GEN(Vo/B)、HIROKAZ(G)、RYU-TA(G/Cho)、KOUHEI(Dr/Cho)のメンバー4人が一枚岩と化した怒涛の演奏で攻め込んでいく。RYU-TAの熱いコーラスを配した「Kitchen」では優れたポップ・センスで場内を揺らし、その流れから壮大なスケールを描いた「midnight cruising」をプレイ。「BLAZE UP、こんなものじゃねえだろ?」とRYU-TAは煽り、ドラマチックなサウンドで観客を魅了し続ける。ここまでの4連打、起承転結を踏まえた楽曲チョイスでバンドの振れ幅をしっかりとアピール。

「愛してやまないSHANK、今年も呼ばれて光栄です。ありがとう! (バンド主催のフェスに)お互い呼び合う、相思相愛」とGENは話し、SHANKは楽曲面で多大な影響を受けた”メロディック・ヒーロー”と付け加え、「SHANKに愛とリスペクトを込めて!」と叫ぶと、メロディック・チューン「monolith」へ。会場の温度をグッと押し上げると、「fiction」を挟み、ここで新作から「Finder」を解き放つ。イントロからハッとさせ、ゴリゴリのヘヴィさと爽快なメロディ、重厚なコーラスと目くるめ展開で聴かせる。ライヴで一段と楽曲の威力を魅せつけるロック・ナンバーだった。

「先日、眉毛を失いました(*本人のツイッター参照)。12月4日、長崎は自分たちのツアーで帰るから。先月出た『Harvest』はオレたちの黄金比、丸出し。SHANKは地に足をつけて活動してる。SHANKの魅力はいつ会ってもスタンスが変わらなくて、安心します。コロナでいろんなものが崩壊した。SHANKが長崎でフェスをやる意味もわかっているつもり。少しでも役に立てたら・・・」と熱く語り、「Buster call」へ。アカペラ始まりのGENの歌声に惹きつけられ、2ビートと哀切なメロディがマーブル状に溶け合うエモーションに胸を激しく突かれた。さらに「Squall」と畳み掛け、思わず涙腺が緩むほど感動してしまった。ここで終わりかと思いきや、持ち時間を有効活用すべく、1分未満のショート曲「Remember」で鮮やかなフィニッシュを決める。

 SHANKの音楽性とスタンスに最大限のリスペクトを送るフォーリミのステージングは、いつも以上に人間臭さ丸出しで、それがまた最高であった。 

<セットリスト>
01. Keep going
02. message
03. Kitchen
04. midnight cruising
05. monolith
06. fiction
07. Finder
08. Buster call
09. Squall
10. Remember

文:荒金良介
写真:岩渕直人