OPENING
BLAZE UP NAGASAKI 2022、開幕!

今年も長崎の地が音楽によって熱く燃え上がる日がやってきた。BLAZE UP NAGASAKI 2022、遂に迎えた開幕の時。会場は昨年と同じく出島メッセ長崎。昨日から長崎空港や長崎駅近くでは思い思いのバンドTシャツに身を包んだ人も数多く見受けられ、はやる気持ちを抑えられない人々もいるぐらい、皆々が待ち望んでいたのだ。

本日は少しばかりの小雨がぱらつく天気ではありつつも、長崎駅から直結の好立地な会場だけあって、ストレスフリー。入り口近くにはフェス飯のみならず、長崎名物のチリンチリンアイスや角煮まんじゅう、長崎と秋田がコラボしたBLAZE UP NAGASAKIオリジナルフードの出店も並び、この地ならではのおもてなしが勢ぞろい。長崎カステラの老舗、文明堂総本店とコラボしたカステラまで用意する気合いの入れようで「BLAZE UP NAGASAKIをこの土地ならではのモノにしたい」と主宰であるSHANKも話している通り、他にはない色がしっかりと味わえる。
加えて、今年はライブエリアのすぐ近くにレストスペースも設けられており、1日中楽しむ為のホスピタリティも十分。開場を今か今かと待つオーディエンスも英気を養っていた。

そんなお祭りムードを昨年に引き続き盛り上げてくれたオープニングアクトが、巨大な龍が生きているかのように空を舞う、龍招宝による長崎が誇る伝統芸能、龍踊りだった。例年、日本三大祭のひとつとしても数えられる長崎くんちで奉納されているのだが、今年も残念ながら中止。冒頭に「SHANKのおかげで2年連続(出演)。嬉しくてたまりません」という言葉が龍招宝の代表者からもあったように、彼らにとっても大きな晴れ舞台。その高ぶりが伝わってくる。

まずはステージを龍が練り歩き、とぐろを巻き、だんだんと苛立ってから空中を切り裂くように動き回る。思わず声がもれそうになるぐらい、その迫力が興奮を誘うのだ。その後、逃げてった龍を呼び戻すべく、まだ「もってこーい!」と叫ぶことは叶わずとも、興奮したオーディエンスからは大きな拍手が起こる。その拍手が龍のエネルギーとなり、より激しく舞う様が素晴らしかった。
家路についた後、必ずや誰かに話したくなる体験。BLAZE UP NAGASAKI 2022の開幕はやはり格別だった。

文:ヤコウリュウジ
写真:岩渕直人