SUPER BEAVER
「SHANKとは完全に同世代です。地元を背負って、すごくかっこいいと思う」

 「楽しいことは能動的に、受動的に楽しむのは簡単」と渋谷龍太(Vo)はライヴ後半に語っていた。この瞬間を、この場所を、あなたと一緒に楽しみ尽くして最高の時間を作りたい。SUPER BEAVERはその一点に向かって、全身全霊を注ぐ。だから、あなたも全身全霊で来てほしい。その相乗効果により、とてつもない熱気が生まれていた。

 SEナシで柳沢亮太(G)、上杉研太(B)、藤原”34歳”広明(Dr)のメンバー3人がバーン!と音を鳴らすと、最後に渋谷が現れ、「名前を呼ぶよ」でショウの火蓋を切った。冒頭の〈巡り合うことは やっぱり すごいね〉の歌詞を丁寧に歌い上げる渋谷。その感情が会場を満たし、観客一人ひとりのハートをこじ開けていく。

 「楽しむ準備をしてきた人はどれだけいるんですか?本気で行くんで、本気でかかってきてください!」と言い、「突破口」を披露。渋谷はフロアを隈なく眺めて、「届いてる?」と声をかける。一方通行にならないように、全神経を張り巡らせて、観客と対話する姿勢も実にSUPER BEAVERらしかった。

「SHANKとは完全に同世代です。地元を背負って、すごくかっこいいと思う。この場所めちゃくちゃ最高! オレたちがまかされたのは、あなたたちに楽しんでもらうこと。楽しんだ奴が主役」と念押しして、「証明」へ。「もっと来いよ、長崎!」と柳沢は煽り、前のめりの演奏に会場は俄然ヒートアップ。そして、新曲「ひたむき」をここでプレイ。観客は積極的に参加し、すっかり楽曲が浸透している様に驚くほどであった。

 「随分とでかい会場ですね。ライヴハウスにしようか?」と声をかけ、「青い春」に突入。ハートフルなメロディを存分に響かせる一方、クラップで会場を力強く束ね、気づけば凄まじい熱狂ぶりを記録。

「何かを背負ってやるのは伊達じゃない。あなたと一緒にやれている時間を誇りに思う」と観客に伝え、さらに「お互いにかっこ良くなかったら、呼ばれない。馴れ合いしてもしょうがないから。このイベントはかっこいい。出る意味がある。意志があり、血が通っている」と、SHANK主催の「BLAZE UP NAGASAKI」を讃えた。

 それから「人として」を最後に解き放つ。〈人として かっこよく生きていたいじゃないか〉という歌詞のリフレインが心に沁みた。簡潔な言葉に特大のメッセージを込めた歌声と演奏の説得力たるや、半端ではなかった。

<セットリスト>
01. 名前を呼ぶよ
02. 突破口
03. 証明
04. ひたむき
05. 青い春
06. 人として

文:荒金良介
写真:岩渕直人